どうも、こんにちは!
小説『糸』林 民生著のご紹介です。
こちらの作品は俳優の菅田将暉さんと小松菜奈さんの主演で映画化もされた小説です。
表紙のラベンダー畑があるように作品の舞台は北海道となっています。
自然豊かな土地で生まれ育った男女2人はそれぞれ違った生活を送りながらも絶妙なタイミングで出会い、絶妙ではないタイミングで離れてしまいます。
「すれ違い」によって生み出されるストーリー展開が魅力的な作品です!
購入時の記事もご覧ください▼
書籍の情報を以下にまとめます▼
INFO
タイトル:『糸』
著者:林 民生
出版社:幻冬社
発売日:2019年12月30日
メモ:映画化されている
あらすじ
北海道で生まれ育った高橋漣は、花火大会で出会った園田葵に一目惚れ。彼女が養父から虐待されていることを知るが、まだ中学生の漣には何もできなかった。それから八年。漣は地元のチーズ工房で働き、葵は東京にいた。遠い空の下、お互いを思いながらも、すれ違いと別れを繰り返す二人。それぞれの人生を歩んできた男女が、再び巡り逢うまでの物語。
『糸』裏表紙より
読書感想
中学生の出会い
共に北海道で生まれ育った漣と葵は中学生の時に出会った。
お互いにそれぞれの友人と地元の花火大会に出かけた時だった。
当時の葵は家庭環境に問題があった。
漣もそんな葵の境遇に気がついたのだが、出会った時期が悪かった。
中学生はまだまだ子供である。
大人に抵抗できるだけの力もなければ行動力もなかった。
中学生という時期は異性を意識しはじめる時期である。
しかし、自分の思いとは裏腹に狭い世界でしか行動ができない現実に歯痒さを感じる。
この、大人と子供の狭間で起こった出来事が将来の自分を形作るのかもしれない。
別の人生
大人になった漣と葵はそれぞれの道をいく。
漣は地元北海道のチーズ工房でチーズ職人として働きはじめる。
そしてチーズ工房で出会った香と結婚をし、長女を授かる。
ごくごく普通で幸せな生活によって葵に対する気持ちは薄れていく。
一方、葵はネイルサロンのスタッフとして働き、自分の店を持つようになった。
知り合いのネイリスト共にシンガポールへと渡りお店の経営を始める。
漣も葵も仕事にたくさんの時間を使うことで過去の思い出を遠ざけた。
何かに集中することで今を生きていくことができるのだ。
ちょっとでも気を抜いてしまうと、その隙を狙って過去が襲いかかってくる。
縦の糸、横の糸
なぜ巡り逢うのかはお互いにわからない。
いつ巡り逢うのかもお互いにわからない。
しかし、巡り合ってしまうということはそれが運命なのかもしれない。
運命とはとても使い勝手のいい言葉だ。
うまくいこうが、いかまいが、だってそれが運命なんだもんと。
チーズ工房で働く漣とネイルサロンを経営する葵は、互いに全力で働いていた。
その全力は自らの足で人生を歩んでいく決意でもあった。
しかし、人の頑張りは簡単に打ち砕かれる。
しんどい時に人の本性が出てくる。
ある種、無意識の行動になっているのか、バラバラになっていた2人が引き寄せ始める。
中学の時に出会った漣と葵は運命によって離れ離れになった。
それから時が流れて、運命によってまた出会う。
運命によって出会うべくして出会った時、もう2人が離れることはない。
まとめ
今回は小説『糸』林 民生著をご紹介しました。
北海道で出会った漣と葵がそれぞれの人生を歩んだ後に再び出会う作品。
心の中の想いは一緒なのに出会った時期や立場によってこんなにもすれ違うのかと思わされます。
この作品は映画化もされているため、小説と併せて楽しむことができます。
小説を先に読むと、登場人物の細かな心情も理解することができるためおすすめです。
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